SENTE'S STORY
大地には大いなる神秘がある。太陽がどれだけ輝いていても、恵みの雨がどんなに降ったとしても、僕たちが目にすることのできないところで、とても小さな生き物たちがどうやって動くかどうかで、作物のすべてが変わってしまうのだから…
僕は土から空へ目を向けてみた。たっぷりと土の栄養をとったトウモロコシを手にして。温かな日差しが僕を見守っていた。「農業を変えられないだろうか。秋田を変えられないのだろうか。未来の可能性を明るいものに出来ないだろうか」と、自分にたずねてみた。できるような気がした。このトウモロコシが証明してくれたのだ。作物がどれだけ変わるか、僕にはわかったのだ…
未来がどうなるかなんて、だれにもけっしてわからない。でも、未来へ向かって前に進むことはできる。一歩、一歩、しっかりと、土を踏みしめて。これは僕にとって、この世でもっとも楽しく、喜びに満ち溢れた活動だ。
もし、君たちに機会があるのなら、僕の野菜を手にしてみてほしい。これは、僕の祖先が立っていた場所、そして今、僕が立っている場所、この土から生まれたものだ。その味に触れてくれた君たちは、大地の神秘たるものが何なのか、きっとわかってくれるだろう。
大地のあまみ